SF映画のような手術室で、約2時間ほどの手術が無事に終わり、
個室で目が覚めて、執刀医から問題無く終わりましたと安心させられた。
ボーッとした意識の中で、自分の現状を見てみると、両腕に点滴が2箇所、足には何やら空気ポンプのマッサージ器みたいな物が両足に装着され、酸素濃度を数値で出すやつを指に付け、心電図やら何やら訳のわからん物が色々とつけられており、・・・そう左脇腹には例のパイプもついております。
こりゃ動けないなという事がわかったが、これが悪夢の始まりになろうとは・・・
現在の時間は夕方の5時頃で、翌朝まで水など一切飲んではダメとお達しがあり・・しかし口の中はカサカサ状態・・
キツッゥ
とにかく寝て、さっさと朝を迎えようと覚悟を決めたのだが、ここからが自分にとっては過酷な事になった。
どこにも時計が無いので、時間が分からないのだが、多分寝て暫くすると傷口の痛みで目が覚めた。
何か体中が痛いのだが、体制を変える事もままならず、体重移動で左右に重心を置いたりするのがやっとで、痛みの和らぐ体制でとにかく寝るようにした
のだが・・
2時間置きに看護婦さんがお越しに来る。
何の為って、体温を測る為と酸素濃度の確認と血圧を測る為、・・
そう・・ええ2時間置きに起こされます。
これが大変過酷な状況になるのだ。
何回か起こされた時だが、体重移動ではお尻や腰がジンジン痛み出し、寝汗はかいて気持ち悪いし、体の節々が痛みだすし、身動き出来ない状態だし、足は空気マッサージみたいな物で固定されているし、
し、し、し・・・・イライラの限界か
もうイィィィィィィィィィィィィ という神経になり出血しても良いからベットからおろせ・・・
動きたい・・・バタバタしたい・・・全部外せっ・・・自由にしろっ・・・
ガァァァァァっつつ
半ば錯乱状態かと思う程になってしまう自分に気づき、
心落ち着かせては・・・<とにかく何とかして寝て、時間を早く過ごし朝をむかえよう>
そう言い聞かせて、何分間かの精神の格闘をし、疲れて眠る事に成功する。
Z・Z・Z・・・
が・・・
2時間置きにお越しに来る看護婦さん・・・
また、ガァァァァァッッツツと精神との格闘
寝る
起こされて格闘・・・
ガァァァ・・・ワァァァァ・・・ギャァァァ・・・ ・・・
そんなこんなで、何回か繰り返し、疲れ果てた感じで、看護婦さんに<もうすぐ朝だよね>と自分に救いの言葉を聞きたくて聞くと・・
看護婦さんはニコッと笑ってくれて、<今は夜中の2時頃ですよフフっ>
夜中・・・2時・・・うそっ・・まだ半分・・
訳の分からない、何かの絵図等が走馬燈のようにいろいろとまぶたに写って、消えていったのを覚えている・・・
もう無理・・・ええ無理・・・
本当にどうやって朝を迎えたのか、全然記憶に残っていない状態だった。
キィーキィーする精神状態の中では本当に地獄かと思った。
手術後の夕方から次の日の朝までのこの時間が、一番キツク、一番苦しかった。
今でも私のおいどと腰には、汗疹か何か分からないが、ブツブツ状態で被れていて、かゆいっかゆい
しかし・・・
こんな思いをしても完治はしないそうで、再発するかもしれないし、何も無いかもしれないしという状態だという
本当に健康な体が、いかに幸せかという事をしみじみ思った。
肺よ頑張れっ
頑張れっ
頑張れっ
願うのであった。