(続き・・・)
水の中で、溺れている人の右の太股辺りを、人がしがみついているのがハッキリと分かったというのです。(想像して下さい、水中でぼさぼさ髪の人がこちらを見ながら足にしがみついている姿を・・)
男?子供?その辺は分からないというか覚えていないそうですが、手を引っ張る3人と水中から睨むようにバッチリと目が合ったと言うからさぁ?大変!!
皆が本当に必死(死にものぐるい!)で、言葉にならない声で叫びながら手を引っ張り、岸まで引きずってきました。
私は岸で待っていただけなのですが、皆は半べそをかきながら石だらけの岸に座り込みました。
1?2分の間沈黙でしたが、1人がしゃべり始めました。
<み、見たよな・・> <何、あれっ> <睨んでたよな・・・> <目、鼻、口、耳、有ったよ?> <今、いないよな・・> <生きてた?> <手があった・・> <髪の毛もあった・・> <怖いよ?> <見てしもた?・・・>
と、単語ばかりで会話をしていましたので、私もおおよその流れは分かりましたが、やはり半信半疑で聞いていました。が、溺れた者の右の太股に5本の指で爪を立てた跡が、太股の外側と内側に足を挟むようにクッキリ跡が残っており、しかも爪の向きからして、溺れた者の足下から掴んでいる事が分かります。<足下・・・水の中からという事になり・・・他の者は水の上からてを引っ張っていた・・他に誰かが居たという事になり・・・>・・・嫌すぎる現実でした。
私は見なくて良かったのですが、見た者はしばらくの間忘れることなど出来ない事でしょう。
世の中には、知らない方が良い事が沢山あるかと思いますが、身をもって感じた瞬間でした。
その後何年かして、街の本屋で、「京都恐怖体験」等の怖い本に内容は違いますが、この川の事が書いてあり、他の人も似たような体験をされていた事がわかりました。
自分の中で裏付けがとれると、またぞっとします。
現実に居るのか解らんが、想像以外の行動をするものを見ると、人は恐怖感を覚えるという事がよくわかりました。
ちなみに助けに行って、直接見たという3人ですが、全員・・今はこの世におられません・・・
<怖いお話その1でした>